期待と不安の新年度に寄り添う4月の誕生石クリスタル(水晶)

ジュエリー

4月の誕生石は透明な輝きを放つダイヤモンドとクリスタル(水晶)です。
ダイヤモンドについては昨年紹介しましたのでそちらを是非参考にしてみてください。

日本でも産出されるので他の天然石よりなじみ深い鉱物。
今回は輝かしい新年度のスタートをきるパワーストーンとして、誰もが知っている最もポピュラーなクリスタルについて深堀していきます。

透き通る水


クリスタル(水晶)の語源は、「透き通る水」や「氷のような」の意味を持つギリシャ語の「krystallos (クリスタロス)」 からきていると言われています。
日本名は「水晶」。
江戸時代では 【水精 (すいしょう) 】と呼ばれ、精霊が宿る石だとか、神によって作り出された特別な石などと、当時から神秘的な印象を感じられる対象だったようです。

地球上で産まれる最も代表的な鉱物のひとつであり、「石英(クォーツ) 」グループの中でも、
特に無色透明のものが 「水晶 (ロッククリスタル) 」と呼ばれています。


美しいクリスタルの球体をかざすと、水よりも更に透き通った水が、そのまま空間に存在するような非現実的な気持ちが湧いてくるよう。

何もない空っぽの空間に吸い込まれるような…
大げさに言えばそれが天につながっているかのような…
そんな不思議な気持ちに支配されます。

あらゆる汚れや埃を洗い流す水のように無色透明なクリスタルは、
土地や空間、気の流れなど…すべてを浄化し清め、幸運を招くパワーストーンとして最も人気があります。
神秘的であり霊的なエネルギーを感じられるようなクリスタルパワーは、
持つ人を選ばずオールマイティな石とも言われ、他の石を浄化する役割も持っている強力な天然石です。

ヒマラヤ水晶


クリスタルは太古の昔から世界中で装飾品としてだけでなく、幅広く用いられてきました。
通貨や宗教用、呪術や神聖な祈祷の儀式の道具として、護符として、お守りとして、
浄化のために建物の礎として使用するなど…古から人々の生活と共にあったようです。
現在においても世界各地で採取されることから、誰でも比較的手に入るお求めやすい価格帯で流通されています。

そんなクリスタルの中でも、5つの国にまたがる巨大なヒマラヤ山脈の「世界の屋根」と呼ばれる地で採れるのが 「ヒマラヤ水晶」。
中でも、ネパールとチベットの国境付近であるガネーシュで採取される
ガネーシュヒマール産の「ヒマラヤ水晶」は、最高峰の特別なクリスタルであると言われています。

古くから聖地とされている標高2000ⅿから5000mのヒマラヤ山脈のとても険しい場所で、
長い歳月をかけて形成される希少価値の高いクリスタルです。

神の領域ともいえる険しい山を何日もかけて登り、テントを張り、2~3ヵ月滞在し人の手によって採掘が行われます。
その後、重たい石を担ぎながら足場の悪い山道を何日もかけて下っていくのです。

ヒマラヤ山脈は神々が宿るとされ崇拝者が多いといいますが、ヒマラヤ水晶の採取は、
地元民の労力と崇高な力を合わせ持ったエネルギーの賜物ではないでしょうか。
ヒマラヤ水晶は、強いエネルギーを持つとされ精神的、肉体的にバランスを整え、負のエネルギーを浄化するパワーが宿ると言われています。
お数珠やブレスレットにクラスターなど、その波動を是非感じてみてください。

ハーキマークォーツ


ハーキマークォーツとは、アメリカ ニューヨーク州ハーキマー地区でしか採れないクリスタルを言います。
鉱物学的にはクリスタル(水晶)ですが、すでにカッティングされているかのような18面の両剣の形状をしており、その透明度の高さや輝きから「ハーキマーダイヤモンド」とも呼ばれています。

通常のクリスタルよりも高温かつ高圧な状況下で形成されていくため、カーボンや細かな気泡を持ち、大きくなるにつれ割れやすいのが特徴です。
透明度の高いものは希少性が高く価格も高額になり、その輝きは多くの人を魅了しています。

そんなハーキマークォーツの装飾品として人気なのは、世界に一つとない形状を生かしたペンダントトップやピアスにリング。
既にクリスタルをお持ちの方には、ワンランク上のダイヤモンドのような輝きを是非知っていただきたいです。

産業の塩


クリスタルはネックレスやブレスレット又は数珠など多く流通されていますが、私達の生活にはなくてはならない製品としての重要な役割をもっていることをご存知でしょうか?

クリスタルは、二酸化ケイ素で形成される無色透明の結晶です。
圧力を加えると表面にプラスとマイナスの分極が発生するという圧電物資の一つです。
純粋な結晶体であるクリスタルに電圧をかけると、安定した振動周波数を発生し続けるのです。

その周波数は非常に優れているため、大量の情報を素早く処理する通信機器やテレビ、デジタルカメラやパソコン、時計に広く利用されるようになったのです。
電子回路が正常に動いているのは、クリスタルのおかげであるといっても過言ではありません。
その為、今現在に至るまでには数々の研究がなされてきました。

クリスタルは、何万年といった歳月をかけてゆっくりと育成されていく自然界の産物です。
そのように形成されるクリスタルを多様な産業用途に使用するには、ブラジル鉱山に依存しているだけの材料不足の点が大きな課題でした。
そこで始められたのが人工のクリスタルの研究です。

1905年にイタリアの鉱物学者の手によって育成され、1930年にはアメリカやイギリス、ロシアでも開発されていきます。
日本においては、1953年に山梨大学で日本初の人工水晶の開発が行われ、今では世界トップクラスの水晶振動子産業の基礎が築かれました。

半導体は「産業の米」と言われていますが、水晶は 「産業の塩」 と言われているのです。
太古の昔から長い年月をかけて育成されていくクリスタルを、僅か6ヵ月から11ヵ月ほどで量産できるようになるとはとても凄いことですね。
人工であろうとなかろうと、クリスタルはクリスタルであり、決してまがい物ではありません。
必要だとされたから作り出された人類の英知の結晶。
人々が快適に暮らしていくための進化の一端であり、環境保護の観点でみても地球の負担が減るのではないでしょうか。

水晶ではじまり水晶でおわる ~ニュートラルなみんなの味方


長い年月をかけて育成されたクリスタル。
神の領域とされる危険な場所で人の手によって採れる崇高なクリスタル。
ダイヤモンドのような輝きと形状を持つクリスタル。
自然界が作り出してきた環境を人間のテクノロジーで産み出した人工のクリスタル。

パワーストーンにあまり興味のない方でも、クリスタルが身近な存在であり手助けしてくれる石だということを感じていただけましたでしょうか?


宝石言葉は「純粋」「繁栄」「開拓」「開運」「伝達」「調和」「統合」「浄化」など。
持ち主の潜在能力を高めたり、場の調整などにも用いられてきた石なので、
新しい環境やチャレンジに身を置く事が多い4月にはぴったりな石ですね。

透明なので、あなたの宝石箱の中にあるさまざまな色のジュエリーと組み合わせることができ、さらにそのパワーを引き出してくれるはずです。
是非目に見える身近な存在として、水のようなクリスタルをまとうことで、そのパワーを借りながら進んでみませんか。

すでにいくつかクリスタルをお持ちの方は、ワンランク上のクリスタルはいかがでしょうか?
ご自身にとっての相性のよい個性と出会って、楽しんでくださいね。


最後に、宝石箱にある連のネックレスの糸替えや洗浄のメンテナンスもお忘れなく。
これから汗をかく時期にも使用することが多いので、定期的なお手入れをお勧めしています。
Houki Kougeiでは修理やメンテナンスのご相談も承っておりますので、お気軽にご相談くださいね。

夏を迎える前に…ネックレスのメンテナンスはお済みですか?>>>ジュエリーの各種修理

はじまりの新年度は期待と不安…さまざまな感情が溢れてきますね。
明るい門出に希望を持って、クリスタルとともにポジティブにスタートしましょう。

ライター:綺羅子

タイトルとURLをコピーしました